2020年9月22日 古代米の収穫

  • 大崎市田尻、蕪栗沼近くにある齋藤肇さんの無農薬栽培水田です。その一角をお借りしてNPO法人田んぼが作った古代米等の収穫を手伝いました。左はNPO代表の舩橋玲二さんです。イネの間にコナギが見えます。
  • このいわゆる「古代米」が、日本で稲作が始まった当時のイネと本当に同じなら、現代品種のイネより遥かに長い時間を、コナギやミズアオイと過ごして来たはずです。
  • どのような収穫高を示すのか、結果が楽しみです。
 

2020年11月22日「田んぼの草の学習会」

  • 大崎市沼部公民館で開かれた集まりで講演しました。NPO法人田んぼ(元ふゆみず田んぼプロジェクト)の主催です。
     
  • 日本の歴史に登場したミズアオイについて話しました。会場には、昨年のワークショップに参加されたかたもいらっしゃいました。
  • 内容を要約したスライドが次です。

  • ミズアオイは二面性を持っています。
  • 一つは日常的な顔。とにかく、ひたすら食べられた植物です。普通の食材であったことは、万葉集の歌などでも明らかです。
  • もう一つは非日常の顔。雅な世界では高貴な花として扱われました。
  • やがて、石高経済の時代となり、田んぼで採れる米以外のものは、すべて「雑」とみなされるようになりました。ミズアオイは救荒植物に身を落としました。
  • その一方、茶花や生花の素材としてミズアオイは度々用いられています。白花品などに品種改良された気配もあります。
  • 耕作地におけるミズアオイの排除はさらに激しくなり、除草剤によってとどめを刺されました。普通の草が絶滅危惧植物になりました。
  • 「除草剤抵抗性タイプ」でささやかに抵抗していましたが、沿岸部では津波が襲いかかり、すべてがリセットされました。
  • 今後、日本人とミズアオイの関係はどうなっていくのでしょうか。
     
  • 呉地正行さん(日本雁を保護する会)。私が「なぎ=ミズアオイ」として研究を進めて来たのに対し、呉地さんは「なぎ=コナギ」と見なして、とくに食べ方についての実践を重ねて来られました。同じ山を別の道から登っていたことになります。
     
  • 呉地さんはコナギの栄養分析までしておられます。多くの栄養素についてクレソンを凌駕しているという、驚くべきデータです。
  • 同様の結果を今年のグリーンインフラ・ネットワークジャパンで西廣淳さん(国立環境研)がコナギとコマツナを比較して示しておられます。
  • ミズアオイの栄養分析結果も、是非知りたいと思います。
  • 当日は、大崎市文化財課の車田さんから「弥生時代の大洪水で大崎平野から長期間(1,800年間!)、人がいなくなった」という壮大なお話や、NPO法人田んぼの舩橋さんから古代米とミズアオイ・コナギ共存実験についての報告もありました。
      
  • 生物多様性に配慮して作ったお米を「生き物ブランド米」と呼びます。齋藤肇さん(蕪栗グリーンファーム)の「水葵米」は日本で唯一、「雑草の名前を冠した生き物ブランド米」です。(写真は昨年の包装)
  • ミズアオイが余分な窒素を吸収するので、お米の雑味が抜けて美味しくなるそうです。購入希望の際は蕪栗グリーンファームまでご連絡ください。
  • 同じく、2019年のワークショップでお世話になった遠藤源一郎さんの「仙台メダカ米」もよろしくお願いいたします。
 
 

【予告】 2020年12月8日〜13日「ボタニカルアート作品展」
電力グリーンプラザ(仙台市青葉区一番町3-7-1)
 プラザ・ギャラリーN  スケジュール

画: 松原節子
  • 2019年のワークショップの参加者からご紹介いただいた催しです。今年、改めて遠藤源一郎さんの田んぼを訪ね、採集した個体を題材に描かれたそうです。その他、お仲間の作品と併せ、展示されます。
  • ミズアオイは日本の植物画(ボタニカルアート)の画題としても、しばしば採り上げられて来た植物です。そんなことも踏まえながら、拝見したいと思います。
 
 
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