2020年8月3日 除草剤抵抗性について再度、分析しました

 
  • 昨年、すっきりした結果が出なかった除草剤抵抗性比色試験を今年、やり直してみました。今回は宮城と岩手で8月3日に採集しました。岩手の採集は岩手県立大学の島田直明先生、分析は阿部由里さんにご協力いただきました。
  • 集めたサンプルを、岩手県立大学の実験室で分析しました。残念ながら、今年も満足できる結果が得られませんでした。発色が不十分です。それでも、少しわかったことがありますのでご報告します。

  • これは岩手県大槌町で採集したミズアオイについての結果です。
  • 二桁の数字は、サンプル個体に振った番号です。つまり三個体の葉についての分析です。
  • チューブ二本で一組です。左側(-1)が除草剤を加えていない場合、右側(-2)が除草剤を加えた場合です。
  • 両方とも赤く発色すれば「抵抗性」タイプです。右側が発色しなければ「感受性」タイプです。
  • ご覧のように三個体とも、「感受性」タイプと考えられます。
  • 大槌町の津波によって復活したミズアオイは除草剤「感受性」であることを、当時確かめています。つまり、現在もその系統が維持されていると言えます。
  • ただ、これだけ安定して(複数個体でも同様に)発色のちがいが見られたのは、ここのサンプルだけでした。岩手県の他の場所の個体、宮城県の個体では、はっきりとした発色が得られませんでした。
  • しかし、今年の大槌の結果を「スタンダード」とすると、昨年の分析結果がちがって見えてきます。
  • これは昨年のワークショップ前後に、仙台のミズアオイについて分析した結果(一部)です。
  • 5は新浜カントリーパークのビオトープ、6は南仙台の水田のミズアオイです。いずれも左側(-1)は赤く発色しています。右側(-2)が判断に迷います。
  • 7は「抵抗性」タイプのミズアオイを実験用に栽培してきたものであり、これを見ても左に比べると右の発色はやや弱くなっています。
  • もし「感受性」タイプならば、右がもう少し無色に近いはずだと考えていたので、5や6を「感受性」と判定することはできませんでした。
  • しかし、今年の大槌の結果を踏まえると、「感受性」の可能性も捨てきれません
  • 今後は時間はもっとかかりますが、別の方法で確かめようと思います。
  • なお、8はせんだい農業園芸センターの水田のコナギです。コナギもミズアオイと同じ仕組みの除草剤抵抗性をもっている植物です。

 
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