ツクシタチドコロは熊本県から鹿児島県の限られた地域にだけ生育している種である。春4月初めにイモが発芽しツルが伸び出し、4月末には花が咲く。日本のヤマノイモ科植物の中では花期が最も早い。またこの花は、日本のヤマノイモ科の中では最も簡単な構造であり、雄花の雄蕊は3本、雌花の退化雄蕊も3本である。 雄花の花序は下から3節目あたりから出だすが、雌花の花序はもっと上位の節から出る。表紙の写真にはアリが一匹写っているが、アリが送粉の役割を持っている可能性が高い。