D. pentaphylla L. (アケビドコロ)
アケビドコロの分布域は東アジアの熱帯から亜熱帯であり、日本には沖縄本島の一部にだけ生育している (写真左、1980年11月10日 沖縄県本部半島)。 Lasiophyton 節の他の種と同じように、葉脈は単子葉とはとても思えないパターンをしている。日本のものはメス株だけであり、種子の形成は見られないが、東南アジアからネパールにかけてのこの種の主要な分布域では、オス株もあり、メス株には種子が形成される。この種はムカゴをつけるので (右写真)、日本ではムカゴで繁殖している。 イモの形と小葉の大きさからこの種を四つの variety に分けた key (Burkill (1954) Dioscoreacea. In Van Steenis [ed.] Flora Malesiana, Noprdhoff (Groningen) 293-335. の p316) に従うと、沖縄のものは var. papuana になる。

イモとムカゴはよく似た組織からなっているが、休眠している期間は大きく異なり、イモは水分を与えて培養すると10数日という短期間で発芽するが、ムカゴは14度程度の温度処理を長期間行ったあと、14度の期間を含めて結局トータ ルで約100日余かかって発芽する (Bot, Mag. Tokyo (1986) 99: 19-27)。

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